【完】GAME OVER
「……ひさしぶりね。
こうやって、千夜のこと抱きしめるの」
「あ……」
千夜が抱きついてきて、軽く抱きしめ返してあげることはたまにあるけど。
自分から抱きしめてあげるのは、かなりひさしぶりだ。
「大好きよ、千夜」
「私もママのこと大好きだよ?」
ぎゅ、と、痛くない程度に強く抱きしめる。
ほっとすると同時に、
驚くほどに泣きたくなった。
千夜と私、どっちが大切──?
そうたずねたのは、私だけれど。
宮と千夜、どっちが大切かなんて、私も比べられない。
「ママは、ずっと千夜の味方よ。
だから、千夜の好きなようにしなさい?」
「うん、ありがと、ママ」