【完】GAME OVER
南さんが立ち上がったかと思えば、私の元へ来て、細くて繊細な指で私の涙を拭う。
喧嘩したことがあるとは思えないほど、手が綺麗だな、なんて。
「わ、たし……
もしかしたら、全然親友のことわかってあげられてなかったのかも、しれないです」
「、」
「私、いつも碧のこと考えてて、親友にも梓真のことで、たくさん話を聞いてもらってたのに」
それなのに。
「私、全然親友の話聞いてあげられなかったな、って、思ったんです」
私が、乃花を理解してあげられなかった。
「自分の事で、いっぱいになりすぎて。
乃花のこと、全然わかってあげられなかった……」
怒りとか悲しみとか後悔とか情けなさとか。
いろんなものが集まって、涙が止まらない。
「……それでも、」