【完】GAME OVER
千夜としばらく話をして、
眠くなったらしく千夜は部屋に戻った。
ひとりでリビングにいるのもあれだし、と、私も部屋に戻ったとき。
「っ、」
ベッドに腰掛けた瞬間に後ろから抱き竦められて、心臓が大きく跳ねた。
「び、っくりした」
「お前が隣にいない方が驚いた」
焦った、と、つぶやく彼の声に、きゅうっと胸が締め付けられる。──未だに、彼はあの時のことを思い出してしまう。
「ごめん、ね」
「寝れないのか?」
「うん、でも……
安心したら眠くなってきた」
宮に抱き竦められただけで安心して、クリアだったはずの思考は靄(もや)に覆われていく。
「んじゃあ、ちゃんと寝とけ」
彼の隣に横になると、抱きしめられて、彼の胸に顔をうずめた。
「宮の匂い、落ち着く」
「昔から言ってたな」