【完】GAME OVER
さっきまでは落ち着かなかったはずなのに、南さんの声が落ち着いているから、聞いてるだけでなんだか安心する。
「正しいのはお前の方だ。
そんな充実な生活に嫉妬して何になる」
「、」
「あの女が間違いを犯した。
それだけで、お前はなんも悪くねぇよ」
「でもっ、」
「CHESSを狙ってた女だぞ。
ロクなこと考えてねぇよな」
ほんとに、乃花はCHESSを狙ってたの?
憧れるねって言ってたのは、知ってる。
だけど……ほんとに?
心優しくて、頼りになる乃花。
裏切られてもなお、彼女を慕う自分に涙すら通り越して笑えるけど。
「お前が戻れるように、とりあえず証拠は出してやるから。
1ヶ月近くは待たないと出せねぇから、それでもいいか?」
「……わかり、ました」
信じたくないけど……仕方ない。
私にとっては、あの場所が私の大切な場所だったんだから。