【完】GAME OVER
だから俺は、嫌だったんだ。
ミヤを、頂点に立たせたくなかった。
アイツは、自らを汚すことも穢すことも、決して厭わないから。
俺らのためになら、なんでも出来る。
もし、もしもこの中の誰かが。
過去に何かを抱えていて、そのどす黒い感情を、復讐を考えているのだとしたら。
その復讐さえ変わってやれるような男なんだ。
『俺がやる』
あの日の、あの時の、ミヤの声が。
いまも脳裏に焼き付いて離れない。
まったく違う状況で、まったく違う意味で、同じ声色で、ミヤが言った一言。
どちらの場面も忘れたことなんてない。
完全に、雅と呼べなくなったのは、2度目の「俺がやる」という一言を聞いたあの日だった。