【完】GAME OVER
「まだ……ミヤのこと、呼べないって。
ほんとに弱いよね、俺」
俺が一番嫌いなこと、恐れてること。
世界でたったひとつだけ。
「お前は十分強くなったぞ、湊人」
──ミヤに、見放されること。
高校生の癖して生意気だなぁ、って。
正直、自分でも思ってる。
「優しいよね、ミヤは」
「お前は、ちょっと真面目すぎだな」
「……女に生まれたかったかもしれない」
「お前寝すぎて頭おかしくなったか?」
──そんなわけ。
「いまの俺はミヤのこともちろん仲間として好きだけど。
女として出会ってたら、普通に惚れてたかもって」
「普通に嫌だな」
「そこは乗ろうよ」
──ないでしょ、なんて今日は言わないから。