【完】GAME OVER
ぽんぽん、と、優しく彼の手が私の頭を撫でる。
涙を袖で拭って、すこし落ち着いてきたとき。
──ヴー ヴー
机の上にあった誰かの黒いスマホが振動して、手に取ったのは南さんだから、きっと彼のものなんだろう。
「……またか」
「なに、ミヤ」
「いや、」
右手は私の髪をくしゃっと撫でて、左手で通話に応える。
なんとなく、彼を見つめていれば、訝しげな表情の彼の耳元から聞こえる、すこし高めの女性の声。
『───』
「……好きにしろよ」
『───』