【完】GAME OVER
「千夜?ぼーっとしてどうした?」
「え?あ、ごめん。
なんでもないよ、大丈夫」
にこっと笑ってみせれば、彼は「そうか」と軽く頭を撫でてくれて。
「ん、降りるぞ」
「うん、」
彼と手を繋いで、電車を降りる。やっぱり、雅はそこでも視線を集めて。
こんなにモテる人が私のことを選んでくれたのかと思うと、嬉しくてどうしようもない。
「嬉しそうだな、千夜」
「え?そんなに顔に出てた?」
「ふっ。よっぽど楽しみなんだな」
「そうじゃなくて……
雅と一緒にいられるから、だよ?」
もちろん水族館も楽しみだけど、と付け足せば、彼は一瞬きょとんとして。
「……あんまり、そうやって可愛いことばっかり言うなよ。
このまま離したくなくなるだろ」
「……?私のこと、離すつもりだったの?」