【完】GAME OVER
「あ、じゃあ、帰りますね。
すみません、長居しちゃって」
「全然大丈夫だよ。
ま、とりあえず証拠は出すから、それまでの間だけ我慢してね」
「っ、はい」
佐々木さんの言葉に、頷いて。
席を立ち上がったときだった。
「──千夜」
低くて、落ち着いた優しい声が、私を呼び止めた。
「南、さん?」
「送ってく」
「え、でも、」
「こんな夜中に出歩いてたら危ねぇだろ。
傘下の女に何かあったら困るからな」
「……わかりました」
私のせいで、彼らを困らせるわけにはいかないから。
素直に頷くと、南さんは優しく頭を撫でてくれた。