【完】GAME OVER
「え?あ、ちょっと待って、」
ソファに腰かけていた麗さんに軽く会釈して、彼についていく。
部屋行く、って……。
別に期待してるわけじゃないけど、ふたりきりは、まだドキドキするから。
「そんなに緊張すんなよ。
手出したりするわけじゃねぇから」
「……うん」
初めてはいった彼の部屋は、モノクロで統一されていて、シンプルで。雅らしいな、と思った。
「あのな、千夜」
ベッドの端に腰かけると、彼が話を切り出す。
「ひとつだけ、聞きたいことがある」
「聞きたい、こと……?」
「ああ」
聞きたいことが、何なのか。それに対する不安は拭えないけれど、きっとここで聞いておかないと後悔するような気がした。
「大丈夫。ちゃんと聞くよ」