【完】GAME OVER
そう言った私に、彼は安心したようにほほ笑んだ。
そして、ゆっくりと口を開く。
「俺は、これからもお前と付き合っていくつもりだ。
もちろん、あんな感じとは言わないが、俺の親みたいな関係にはなりたいと思ってる」
それ、って。
私と夫婦になりたい、って、思ってくれてるってことでいいんだよね……?
「その気持ちは、絶対変わらねぇけど。
どうしても、DECIDEの頂点として、CHESSの頂点として、俺はお前のことを隣に置けない」
「それは……雅みたいにかっこいい人の彼女が私だったら、がっかりされるから?」
いや、と彼は首を横に振る。
「CHESSは想像以上にデカい組織なんだよ。
だから、お前を姫にしたら、その分リスクが増す」
「……うん」
「俺はお前のこと、もちろん守ってやりたいけど。
完璧に守るなんてことは絶対に出来ねぇから。だから、俺のそばにいてくれるだけでいい」
姫にはできないけど、それでもいいか?と。
私に聞いた彼の中で、きっと何度も考えられた末の結果なんだろう。
それに姫になれないからと言って、別れるわけじゃない。ただ、組織とは関わることなく、彼のそばにいればいいだけだ。