【完】GAME OVER



そう言った私に、彼は安心したようにほほ笑んだ。



そして、ゆっくりと口を開く。



「俺は、これからもお前と付き合っていくつもりだ。

もちろん、あんな感じとは言わないが、俺の親みたいな関係にはなりたいと思ってる」



それ、って。



私と夫婦になりたい、って、思ってくれてるってことでいいんだよね……?



「その気持ちは、絶対変わらねぇけど。

どうしても、DECIDEの頂点として、CHESSの頂点として、俺はお前のことを隣に置けない」



「それは……雅みたいにかっこいい人の彼女が私だったら、がっかりされるから?」




いや、と彼は首を横に振る。



「CHESSは想像以上にデカい組織なんだよ。

だから、お前を姫にしたら、その分リスクが増す」



「……うん」



「俺はお前のこと、もちろん守ってやりたいけど。

完璧に守るなんてことは絶対に出来ねぇから。だから、俺のそばにいてくれるだけでいい」



姫にはできないけど、それでもいいか?と。



私に聞いた彼の中で、きっと何度も考えられた末の結果なんだろう。



それに姫になれないからと言って、別れるわけじゃない。ただ、組織とは関わることなく、彼のそばにいればいいだけだ。



< 191 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop