【完】GAME OVER
「私っ、短かったけど一緒にいられて嬉しかったよ」
そう言った私を、雅はきつく抱きしめてくれて。
その背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめ返した。
「千夜」
「……うん?」
顔を上げると、至近距離で視線が絡んで。
その近さに息を呑んだ私の唇が、彼にふさがれる。だけど、嫌じゃなかったから、素直に目を閉じた。
「千夜」
キスの合間に何度も名前を囁かれて、いつも以上にドキドキした。
「すき……」
吐息が重なって、恥ずかしいのに目をそらせない。
私の髪を下から流れるように梳いた後、また引き寄せられて、「ん、」と声が漏れる。
「愛してる」
小さく囁かれたそれを聞いた瞬間、嬉しくて涙があふれた。この間につらいことがあったばかりなのに、幸せだって思えたんだ。