【完】GAME OVER



「ただいまぁ」



家の扉をあけてそう言えば、「おかえりなさい」とママが迎えてくれる。



「あのね、ママっ。約束、」



「ふふ。わかってたことだもの。

今日は宮もはやく帰ってきてくれるみたいよ」



バレてる、と顔を赤くする私に、ママはくすくすと笑って。「どうぞ上がって」と雅に声をかける。



「宮が、今日はお寿司の出前取ってやれって言ったから、晩ご飯はお寿司ね」



パパも、なんだかんだ私に甘い。




「それにしても、かなり早く実行できるなんて。

千夜ちゃん、頑張ったのね」



こくこくと頷く。



ママと交わした約束の内容は。



もし上手くいったら、ママとパパにちゃんと紹介するから、一緒にご飯食べて、たくさんお話したいというもの。



パパは梓真のときだって賛成でも反対でもなかったから、雅のことはちゃんと認めてもらいたくて。



「ママはこれからも応援してるわよ」



そんな言葉が、とてつもなく嬉しかった。



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