【完】GAME OVER
--.CHESSの姫
「ううううああああ、緊張する……っ」
「千夜ちゃん、もうちょっと肩の力抜いていいんだよ……」
緊張でうずくまる私に、湊人がそう声をかけてくれるけど。
無理だよ……!肩の力なんて抜けないよ!
「おお~、ガチガチじゃねぇの」
「おま、そんなので大丈夫かよ……」
「ちーちゃん、はいこれお水ー」
外からもどってきた一薫と一騎も、私を見て若干笑ってる。若干というか笑ってる。なんて失礼な。
ヒナくんからありがたくお水を受け取ってそれを口に含むと、カチャっと部屋の扉が開いて、姿を現したのは雅で。
「……なんだ、この集まり」
「千夜ちゃんがあまりにも緊張してるから」
「……ああ、」
なんのことかわかったらしい雅は、近づいてきたかと思うと、私の手にまだ残っていたグラスをテーブルに置く。
「千夜」
「ん?え、ん、っ……!?」
ちょっと、雅さん……っ!