【完】GAME OVER
「わ、かりました」
『んじゃな。絶対、泣くなよ』
「はい、」
電話を終えて、ポケットにスマホをしまう。
南さんと、昨日交換した連絡先。
私はそんなつもりなかったんだけど、彼が「ねぇと困る」って言ったから。
そもそも、CHESSに所属しているメンバーなら、誰も彼には逆らえないと思う。
授業中なのか、誰にも会うことなく。
裏口に行けば、すでに彼が来ていた。
「は、早くないですか」
「連絡したの、近くのコンビニだからな」
「……それって私に断らせる気なかったですよね」
「ああ。まぁ、お前もCHESSの人間だから、俺に逆らえねぇのは知ってる」
無理やり感があるのに、ふっと笑う彼に、なぜか自然と笑みがこぼれた。