【完】GAME OVER
──バンッと、無駄に大きな音を立てて扉を開く。
それから、止まることなく走った。
視界が霞んで、はっきりしない。
ぼやけて、自分がどこをどうやって走っているのかもわからない。
だけど、ただ走り続けた。
──信じてたのに、なんて。
「っ、はぁ……っ」
バカみたいだ。
裏切り者?
そんなわけない。
私に手を差し伸べてくれた彼を。彼らを。大切な居場所を。裏切ったりするはずない。
嫌いだった自分を、初めて誰かに認めてもらえたのがどうしようもなく嬉しくて。
『千夜(ちよ)の居場所ができて、
私、ほんっとに嬉しい』