【完】GAME OVER
間違いない。
彼の美形は、確実に遺伝だ。
「初めまして……矢昏 千夜です」
「千夜ちゃん?
かわいらしいお名前ね」
「あ、ありがとうございます……」
これはどうするべきなんだろう、と彼に視線を向けたら。
「とりあえず、入るか」
「そうね。どうぞ、入って」
「お、お邪魔します……」
本当に来てよかったの……!?
そう思う私の気なんて知らず、彼は「行くぞ」と私に声をかける。
う、仕方ない。
若干、縮こまりながらも彼らと足を進めれば、たどりついた先はリビングらしきところで。