【完】GAME OVER
「雅、よかったわね」
「………」
「やっと、見つけたんだもの。
ちゃんと大事にしなきゃだめよ?」
「……るせ」
くすくす笑う彼女が、ちょっとだけ背の高い雅に合わせて背伸びする。
「私はあなたの、母親だから。
何かあったら、いつでも言いなさい」
「絶対言わねぇ……」
「ふふ、意地っ張りなのは麗(れい)そっくりね」
「親父と一緒にすんなよ」
「片思いも悪くないわよ?
麗は、7年近く私に片思いしてたんだから」
「その話聞き飽きた。んで、要件はなんだよ」
それを聞いて、彼女が思い出したように雅に微笑んだ。