【完】GAME OVER
04.〝CHESS〟
「あれ。サボったの?」
「ああ」
「せっかく、単位がやばいって珍しく授業出てたのに」
「んなことどうでもいい」
いやいや。
「よくないよ。留年したら困るもん」
「……わかってる」
小さく息を吐いて、彼は私を昨日と同じソファに座らせた。
「一騎に話があるから、ちょっとコイツのこと見といてくれ」
「はいはい。
ヒナの部屋で、一薫と3人でゲームしてるよ」
「わかった」
彼が、部屋を出ていく。
パタンと扉が閉まると、彼は優しく微笑んで私に声をかけてくれた。