【完】GAME OVER
「碧の意味もあるけど、さすがにこれは知ってるかな」
「知らない、んだよね……」
教えてもらえなかったってことは、やっぱり私、梓真に嫌われていたのかもしれない。
でも。
「……いま、雅のことでいっぱいだから。
また、今度聞いてもいいかな……」
そんなことが気にならないほどに、彼のことが心配だった。
「わかった。
また、なんでも聞いてね」
「うん、ありがとう」
お礼を言って、考え事をしていれば。
「千夜」
──話題の中心だった彼が帰ってきて、どうしてか心臓がはねた。