【完】GAME OVER
さっきの、湊人の言葉が蘇ってくる。
彼は……雅は。
「気に入られてるのかどうかは、わからないけど……でも」
彼が、CHESSのトップとして、強く気高くいる人なんだとしたら。
「私が、たまには安心させてあげられたらいいな、って」
私が、彼を休ませてあげることぐらいは出来るかもしれない。
「……そんなにミヤがいいのかよ」
「え?」
ぼそっとつぶやかれた声に顔を上げたら、「なんでもねーよ」と言われてしまった。
「早く買って帰んぞ。
あんま遅いと湊人がグチグチ言う」
「湊人は言わなさそう」
「はぁ?お前……まぁ、いい」
女嫌いだと言う彼が私と普通に会話してくれることが嬉しかった、なんて。
言ったら怒られそうだから、絶対に言わないけど。