【完】GAME OVER
どうしてるんだろう、あの子。
『また会えるよね、──くん』
『絶対会える。
ちょこ、約束忘れたら許さないからな』
『うんっ、わかってるよ!』
確か私、その子のことが大好きだった。
教室の隅にいるような、あまり目立たない男の子だったけど。
私にとっては、どうしようもなく大切な人だったはずなんだ。
「忘れてんなら、仲良くなかったんじゃね」
「そうかな……?
私、その子のこと大好きだったはずなのに」
ぴた、と、一騎が手を止めた。
「どした~、いっちゃん~」
「なんでもねー……」
「ふ~ん?
んじゃ、俺はちょこって呼ぼうかな~?」
なぜだか危ない雰囲気の色気を持つ彼が、食べ終えて私の座るソファの肘置きに軽く腰掛ける。