【完】GAME OVER
「ちょうど、髪も茶色いしな~」
彼の指先が、私のセミロングの髪を掬う。
「これは、ママ譲りで……」
「へぇ。
甘めの顔も、ママ譲り~?」
私の顔が甘いのかどうかは、わからないんだけど……。
「ママは、どっちかというと美人だから、あんまり似てないかな……」
雅のお母さんはとっても若くて美人だったけど、よくよく考えれば私のママも美人だ。
「意外だな~」
くす、と笑う彼。
「美人なのに、パパにべったりだから……性格は甘いのかな……?」
昔は、あんなんじゃなかったってパパが言ってた。
昔は顔に似て性格もおしとやかで美人だったけど、結婚する前に起きた事件のときから、ずっと甘えたなんだって。
でも、パパはママのこと大好きだから。
ママが甘えてくれるの、嬉しいみたいなんだけどね。