【完】GAME OVER
「斗真……?」
「ちょっと試すだけで何もしない。
……から、我慢しててくれ」
何事……?
わからないけど、さらに顔が近づいて微かに動いたら唇が触れてしまいそうだ。
ぎゅっと目をつむって、それに耐える。
そして、その体勢のまま数十秒もかからなかっただろうか。
昼休みの終わりを告げるチャイムが、鳴ったとき。
──バンッ
ものすごい音を立てて、屋上の扉が開いた。
思わず瞼を持ち上げたけど、目の前にあるのは斗真の顔で。
──だけど。
「お前……、
誰の女に手ぇ出してんだよ!」
一気に視界が開けて、その視線の先にいるのは、紛れもなく、ついこの間まで私の彼氏だった人。