【完】GAME OVER
「誰の女も何も、
千夜はお前の女じゃねぇだろ」
斗真が胸ぐらを掴まれていることに、ひやりとする。
そんな私に気づいてるのか気づいてないのか、冷静に淡々と答えた斗真。
チッと、梓真が舌打ちする。
「千夜とお前は別れてんだから、
俺がどうしようと自由だろ」
「でも手出すのは間違ってんだろ……!」
「お前がいま入ってきたとき──
──千夜、拒んでたか?」
梓真が、私を見て。
それから、苦しげに、表情をゆがめた。
どうして、そんな顔するの……?
「っ、でも、」
「なぁ、なんでそんな焦んのに、
お前、千夜のこと見捨てたんだよ」
「なんの話だよ」
「さっき、千夜が女に呼び出されたの知ってて、しかもお前見てたよな」