【完】GAME OVER
「……千夜は渡さねぇ。
でも、俺だって困ってんだよ」
怒りが収まったのか、梓真は髪をくしゃっとして、その場にしゃがみこむ。
「好きなヤツのこと、んな簡単に諦められるかよって、思ってるけど」
「ああ」
「千夜が裏切ったって思ったら、チームのためにはそばに置いとけねぇ。
でも、俺の気持ちは変わらない」
梓真……
梓真は、ずっと。
「俺はお前みたいに器用じゃねぇし、
不器用だから感情の整理も出来ねぇんだよ」
私を、想ってくれていたの?
私が……裏切り者だったとしても。
「梓、真」
思わず名前を呼べば、なんとも言えない表情で梓真が口を開く。
「お前が裏切ったかどうか、まだ解決してねぇけど……
俺は、千夜が好きだよ」