【完】GAME OVER
でも待って?言い聞かせるってなに?
それじゃあまるで、本心は別みたい。
「千夜ちゃんは、とっても真面目だから。
きっと、それじゃなきゃダメって決め付けてるんじゃない?」
「え……?」
「もうちょっと、感情を自由にさせてあげてもママは良いと思うわ。
真面目な千夜ちゃんのママは、不真面目だから駆け落ちしたもの」
玄関の扉が開く音が聞こえたから、ママはくすりと笑ってから、玄関に行ってしまった。
ちょ、ちょっ、
ちょっと待って……!?
「ママとパパって、駆け落ちしたの!?」
あわててソファから立ち上がり、ママの後を追いかける。
玄関で穏やかに微笑むママと、優しい表情のパパ。
私の声が聞こえたのか、「ただいま」と微笑んだパパは、「突然どうした?」と尋ねてくる。