【完】GAME OVER
「わかったわ」
ママが、優しく私の腕を引いて、リビングに引き返すよう促す。
パパはインターフォンに出ることなく玄関の扉を開けて、
「……千夜」
私の名前を呼んだ。
「なに?パパ」
ママと引き返しかけていた私は、振り返って視界に入った人物を見て固まる。
「み、やび……?」
なんで?
「千夜っ、お前なんで連絡つかねぇんだよ」
「ご、ごめんねっ……電源切ってて、」
気づいてたけど……出なかった。
はぁ、とため息をつかれて、自分で招いたことなのに泣きそうになる。
そんな私の背中を押してくれたのは、まぎれもなくママで。