【完】GAME OVER
「みや、び……?」
「何回かけても、繋がんねぇし……
どれだけ俺が心配したと思ってんだよ」
なんだ、ろう。
「マジで焦った……」
彼の声に、あまりにも余裕がないから。
抱きしめる腕だっていつもみたいな優しいものじゃなくて、本能のまま抱きしめるように強いから。
「ごめん、なさい……っ」
彼をどれだけ心配させたのか、嫌でもわかる。
「探し回って、最終手段で湊人に家聞いて……
押しかけたのはごめんな。でも、」
「………」
「もし、家にもいなかったらって。
考えたとき、どれだけ俺が不安になったかわかるか……?」
「っ、」
振り返って、彼に抱きついた。