ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
「そうかなあ?
ほら、顔も真っ赤になってるし。
キスくらいで、可愛いなぁ」
「………やめてください」
可愛い、なんて言われ慣れていない。
なんだかむず痒いような気持ちになる。
………ああ、なんなの、これ。
私としたことが。
私は朝比奈先生というラスボスを倒して、この恋のゲームを有利に進めなきゃいけないのに。
それなのに、どうしてだろう。
調子が狂ってしかたがない。
どうすれば形勢を逆転できるのか、頭を悩ませながら、私は朝比奈先生に引きずられるようにしてエレベーターに乗った。
ホテルのロビーを抜けて、夜も深まった街に出る。
「そういえば………先生はどうしてあそこにいらっしゃったんですか?」
今さらながらにそのことに気づき、隣をゆっくりと歩く先生に視線を向ける。
先生がにっと笑った。
「俺もあのバーで飲んでたんだよ。
学生時代の仲間と一緒にね。
そしたら、君と嶋田先生が入ってきたものだから、目を疑ったよ」
ほら、顔も真っ赤になってるし。
キスくらいで、可愛いなぁ」
「………やめてください」
可愛い、なんて言われ慣れていない。
なんだかむず痒いような気持ちになる。
………ああ、なんなの、これ。
私としたことが。
私は朝比奈先生というラスボスを倒して、この恋のゲームを有利に進めなきゃいけないのに。
それなのに、どうしてだろう。
調子が狂ってしかたがない。
どうすれば形勢を逆転できるのか、頭を悩ませながら、私は朝比奈先生に引きずられるようにしてエレベーターに乗った。
ホテルのロビーを抜けて、夜も深まった街に出る。
「そういえば………先生はどうしてあそこにいらっしゃったんですか?」
今さらながらにそのことに気づき、隣をゆっくりと歩く先生に視線を向ける。
先生がにっと笑った。
「俺もあのバーで飲んでたんだよ。
学生時代の仲間と一緒にね。
そしたら、君と嶋田先生が入ってきたものだから、目を疑ったよ」