ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛







彼女の後ろ姿を見送りながら、俺は彼女の背中ばかり見ているな、なんて思う。



俺の部屋を出て行く背中。


他の男と飲んでいる背中。


他の男に連れ込まれそうになっている背中。


俺を置いて帰っていく背中。




つれないなぁ、と溜め息が出そうになる。



すぐそこにあるのに、なかなか触れられない。


なかなか手に入らない。



でも、だからこそ目が離せない。




どうすれば彼女は俺のことを好きになってくれるだろう?




そんなことを考えながら、俺はいつまでも夜の街の真ん中に立っていた。





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