ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
じゃがいもの皮を剥き、大きめに切ってザルに入れていく。
にんじんと玉ねぎも同じように下ごしらえをする。
糸こんにゃくを洗って、深めの鍋をとりだした。
そのとき、リビングにいた先生が、いつの間にか後ろに立っている気配に気がついた。
「先生? どうかしまし……きゃ!」
振り向きかけたところで、いきなり背後から抱きしめられて、私は思わず小さく叫んでしまった。
背中を包み込む体温に、不覚にもどきりとしてしまう。
「ちょっと……なにするんですか」
戸惑いをごまかすように、咎めるような口調で言うと、
先生が後ろから覗き込むように首を傾げてきた。
先生の顎がこめかみのあたりに触れて、なんだかくすぐったい。
「いやあ、料理してる女の子の後ろ姿って、いいよねえ。
我慢できなくなって、抱きついちゃうくらいに」
「………なに言ってるんですか。
作業がしづらいので、離れててください」
「はあい」
先生はくすくすと笑い、ぱっと身体を離した。
急に背中が寒くなったような気がした。
にんじんと玉ねぎも同じように下ごしらえをする。
糸こんにゃくを洗って、深めの鍋をとりだした。
そのとき、リビングにいた先生が、いつの間にか後ろに立っている気配に気がついた。
「先生? どうかしまし……きゃ!」
振り向きかけたところで、いきなり背後から抱きしめられて、私は思わず小さく叫んでしまった。
背中を包み込む体温に、不覚にもどきりとしてしまう。
「ちょっと……なにするんですか」
戸惑いをごまかすように、咎めるような口調で言うと、
先生が後ろから覗き込むように首を傾げてきた。
先生の顎がこめかみのあたりに触れて、なんだかくすぐったい。
「いやあ、料理してる女の子の後ろ姿って、いいよねえ。
我慢できなくなって、抱きついちゃうくらいに」
「………なに言ってるんですか。
作業がしづらいので、離れててください」
「はあい」
先生はくすくすと笑い、ぱっと身体を離した。
急に背中が寒くなったような気がした。