ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
だからってわけじゃないけど、なんとなく流されてしまう私がいた。




「………まだまだ足りないなあ」




一度、唇を離した先生が、いつもより熱っぽい瞳に私を映している。



その手が私の太もものあたりにそっとのせられた。




ーーーべつにいいかな、と思う。


いちおう、恋人同士ってことになってるわけだし。



面倒くさい変な男だとは思うけど、朝比奈先生のことは嫌いじゃない。



だから、いいかな。




私は何も言わずに先生を見つめ返す。



それで、私に拒否する意志のないことは十分に伝わるだろう。




先生が目を細めた。



またキスが降ってくる。


少しずつ、さらに深くなっていく。



気がついたら、私はソファの上に横たえられていた。



先生が覆いかぶさるようにしてキスの雨を降らせる。


私の身体のラインを確かめるように触れてくる。



私は目を閉じて、黙ってされるがままに身を任せていた。




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