ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
ふう、と朝比奈先生が溜め息を洩らした。




「興味を失ったなんて、それは早とちりだよ。

俺は君に興味津々だからね」



「………じゃあ、どうして」




先生がにやりと笑って、「俺はね」と言った。




「俺はすごくわがままだから、ね。

俺のことを心から好きになってくれる子じゃないと、だめなんだ」




私はぼんやりと先生を眺める。




ーーー心から先生のことを好きに?


そんなの………。




「………じゃあ、私があなたのことを心から好きになれば………

あなたは私のことを好きになる、ということですか?」




確かめるようにゆっくりと、私はそう訊ね返した。



先生がふっと目を細めて、小さく頷く。




「うん、そういうこと。

俺は我儘で自己中心的だから、ね。

愛してもらえないと堪えられない、ってことだよ。


そして、君はまだ、俺のことを全然好きじゃない。

俺の恋人になってくれたのも、仕事のため………でしょ?」




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