ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
もちろん、否定なんかできなかった。



私は朝比奈先生に新作を書いてもらわないといけない。


だから、恋人になることを了承した。



先生のことが好きだから、じゃない。


もちろん、嫌いでもないけど。



先生の恋人になって、先生が私に夢中になれば、

先生はきっと、私の願いを聞いて新作を書いてくれる。



そのために私は、先生に好かれるための努力を惜しまないつもりだった。



いままでの恋愛経験を最大限に活用して、先生の心をつかもうとしていた。



………それなのに。




『俺のことを心から好きになってくれる子じゃないと、だめなんだ』




先生の言葉が何度も頭の中を駆け巡る。



そんなことを言われるなんて、思いも寄らなかった。


今まで私にそんなことを言った男はいなかった。



男たちはみんな、私にどう思われているかなんて、私が好意を持っているかなんて、気にしていなかった。


私と付き合えるならそれでいいと言っていた。



それでよかったのに。



どうして、先生は………。




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