ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
あまりに無責任な言葉に、さすがに苛立ちが抑えられない。



今までの彼女たちがこの人を散々甘やかしてきたから、こんなろくでなしになってしまったんだわ。


でも、私は甘やかしたりしない。




「ふざけないでください、先生。

ここはあなたの部屋ですし、荒らしたのもあなたですよね?

だから、ご自分の責任できれいにすべきでしょう」




先生は目から鱗でも落ちたかのような顔をした。




「………なるほど。

そう言われてみれば、そうだよね。

俺は今まで他力本願すぎたなあ」




私は呆れて溜め息をついた。




「今ごろ気づいたんですか?

他力本願にも程があります。

いい大人なんですから、自分のことくらい自分でやってください」




先生は「その通りだね」と何度も頷いた。




「君のおかげで目が覚めたよ。

俺を叱ってくれるのは君だけだね」




先生は嬉しそうに相好を崩した。




「なんですか、その思春期の不良少年みたいな台詞は………」




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