ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
サナエちゃん、と呼ばれた女は、この間の可愛い系の子とは違って、けっこうなキレイ系だ。



冷たい印象を与える彼女は、気の強そうな切れ長の目で男を見つめ、小さく「うざ」と呟くと、すたすたと戸口から出て行った。




私と似たタイプの女らしい。


早いとこ過ちに気づいて良かったわね。


良い勉強になったでしょ。




「わぁぁん、サナエちゃーん、帰ってきてー!! 俺を見捨てないでー!!」




さらに泣き声を大きくした男が、あまりにもうるさかったので、私は男が座っているスツールの脚をがつんと蹴った。



まったく、雰囲気ぶち壊しもいいとこよ。


ちょっとは大人らしく、周りに気を使ってちょうだい。






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