ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
「おしゃべりくらいしてもいいわよね。

あなた達だって、ちゃんとやるべきことはしてるし。


………今までごめんなさい。

だから、私に対してそんなにびくびくしなくていいのよ」




一気に言い切ると、彼女たちはまだやっぱり唖然としていた。




「………ど、どうしたんですか、香月さん………何かあったんですか?」




佐野さんという二年後輩の女の子が、おそるおそるといった感じで訊ねてきた。


私はふっと唇を歪める。




「べつに何もないけど………ただ、なんだか今日はあんまり集中できなくて、ここに休憩しにきたのよ。

だから、あなたたちに偉そうなこと言ってきた私が情けないっていうか、悪いっていうか………。

そう思ったから、ひとこと謝りたくなっただけ」




彼女たちは互いに顔を見合わせて、それからまた私を見た。




「香月さん、疲れてるんじゃないですか?

ちょっと働きすぎですもん。

一人で二人分くらい仕事してますし」





< 234 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop