ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
「あっ、こないだの美人さん!!」




泣き腫らした目を丸くして、男は私を見つめた。




「どうも。相変わらず泣いてますね」




そう嫌味を言ってやったのに、男はなぜだか嬉しそうににじり寄ってくる。



私は顔をしかめて、




「ちょっと、寄らないでよ!!

馬鹿がうつったらどうしてくれんの!?」




と男を肘で押しのけた。



でも男はへこたれず、




「いいじゃないですか。

偶然二回も、しかも別れ話のときに居合わせるなんて、何かのご縁ですよ♪」




と、にやつきながら、私の隣に腰かける。



なんのご縁だよ、言ってみろ。

と思ったものの、あまりの押しの強さに、私は思わず現状を受け入れてしまった。




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