ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
軽く炒ったアーモンドとともに出されたジャック・ローズを口に含む。
「………ふふ、おいしい」
上品な甘さと爽やかな香りに包まれて、私はすっかり機嫌がよくなり、幸せな気持ちになった。
…………というのに。
「やだよー、別れたくないよー!」
私の至福のひとときをぶち破る、無粋きわまりない声。
私が苛立ちを隠さず、険しい表情で声の主に目を向けると。
「ミナちゃん、俺を捨てないで!」
ーーー私の隣で、大の男が、カウンターに突っ伏して号泣していた。
ドン引き。
なに、こいつ?
「いやだよぉ、俺、ミナちゃんがいなきゃ生きていけないんだよ〜!」
周りを気にせず喚き散らす号泣男の横には、私と同じくドン引きな表情を浮かべた可愛いらしい女の子が座っていた。
「………ふふ、おいしい」
上品な甘さと爽やかな香りに包まれて、私はすっかり機嫌がよくなり、幸せな気持ちになった。
…………というのに。
「やだよー、別れたくないよー!」
私の至福のひとときをぶち破る、無粋きわまりない声。
私が苛立ちを隠さず、険しい表情で声の主に目を向けると。
「ミナちゃん、俺を捨てないで!」
ーーー私の隣で、大の男が、カウンターに突っ伏して号泣していた。
ドン引き。
なに、こいつ?
「いやだよぉ、俺、ミナちゃんがいなきゃ生きていけないんだよ〜!」
周りを気にせず喚き散らす号泣男の横には、私と同じくドン引きな表情を浮かべた可愛いらしい女の子が座っていた。