ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
「んー?」




先生は頬杖をついて、小首を傾げて私を見る。




「君が書け書けって言うからだよ」




「………それとこれとはどう関係があるんですか?」




「君が書くための時間を確保するために女の子たちと手を切れと言った。

だから俺はその通りにした」




「はぁ、その点は感謝いたします」




「うん。ところがね、ここで一つ大問題が生じるわけだよ」




「はぁ」




「俺はね」




先生がにっと笑う。




「恋をしていないと、本当に、なーんにも書けないんだ」




「へ?」




「俺の創作動機は、恋なの。愛なの。

誰かと激しい恋をしているか、深い愛を注いでいるときにだけ、俺の中に書きたいものが湧き上がってくるんだよ」





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