~color~サイドストーリー
伊織
2005年12月30日
あたしの元に1通の手紙が届いた。
差出人の名前は
ーーー翼ーーーー
あたしは、その現実離れしたものを受け止められずに、その手紙を、すぐさまバッグに入れたのを今でもはっきりと覚えている。
思考回路がストップしてしまうとは、まさにこうゆうことだろうとも思った。
手紙を開封ことに恐れた。
取り乱してしまうかもしれない。
泣きじゃくってしまうかもしれない。
開けなくても、その内容が自分には重いものだとは分かっているから。
あたしは、その日、仕事と嘘をついて、あの海へと足を運んだ。
翼が待っていてくれたんじゃないかってくらい、その日は雲一つなくて、大きな空に綺麗な星たちが光放っている。
そう、暫くこんなきれいな星空を眺めることはなかったかもしれない。と……
あたしは砂浜に静かに腰を下ろした。