白と黒の携帯
◆◆


「あ、雨………」





暗くなった外に気付き、カーテンの隙間からのぞくと本降りになっていた。









徹に拾われてから二日。









連れてこられた家の表札は『MAEYAMA』……結構大きな一軒家。





「入って」





家の中は真っ暗で人の気配もない。一人で暮らしてるの本当だったんだ。







「待ってて」










リビングに通された。暗い室内を見回すと割りと綺麗に片付いてるっぽい。一人で住んでるって言うからもっと散らかってるのかと思った。









-パチン-







「電気つけたらいいのに………っ!?」






電気を点けた徹のビックリした顔。手にしてた薬箱を床に落とした。




「?………あぁ、お化けみたいでしょ。好きだった美化した私じゃなくて幻滅した?」






明るさの元で見る徹は凄くかっこよかった。背も伸びたね。ちょっと茶髪で前髪ピンで止めてるのがトレードマーク?少し日に焼けた健康的な肌。顔はあまり変わってないかな。少し少年から男になってきた?




私は………さっきまで殴られてたからあちこちボロボロ。長めのロングはボサボサ。服は乱れて………何もかも違うでしょ?






「脱いだらもっと凄いよ?見る?」

「…………」






顔をこわ張らせたままの徹。ほら、引いてる。所詮住む世界が違うの。







「冗談よ。私帰るね……」

「………で」

「え?」






何今の………聞き間違い?





「脱いで。全部」

「ちょっと何言ってんの?超勝手の次は変態?」





でも徹の目は真剣で、冗談じゃない事はすぐ分かった。

徹は手を伸ばして照明を一つおとした。今から全裸になる私に対する配慮なのか……




私はゆっくり借りていたジャケットを床に落とし、服のボタンを外した。



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