白と黒の携帯
「はい」
頭の上から聞こえる嬉しそうな声。まったく…子供みたい。
「ほら分かったから。まず外れた腕治すわよ」
「え………?」
傷の手当てしないといけないし、外れた腕もいつまでもこのままにしておけない。
徹の腕から抜け出して背後に回り込む。ダランとした左手…
「悪いけどちょっと我慢して。いくよ……」
「え?おい…」
ゴキン
「って~っ!」
「入ったよ」
「う~……あ、ホントだ」
左腕を動かしてみる。動く。
良かった。ちゃんと入るか心配だったけど大丈夫みたいね。
「美潮すげぇなぁ」
「私もよく外れるから。でも人のは治した事ないけど」
「うっそ。マジやべぇからそれ」
「うっさい!早く濡れた服脱いでよ。傷手当てするから」
「この前と立場逆だな♪」
ボロボロのくせに白い歯を見せて笑う徹を見てやっと安心した―――――
-P~P~PP~♪……-
-きた……-
ポケットの中で鳴り響く携帯。手を入れて確かめる。やっぱり………二台ある。
どっちに出よう。本当なら迷わず私の携帯に出るところなのに………この黒い不気味な携帯がとても気になる。私を惑わすってなに?私、何か惑わされる事あるの?
相変わらず微塵の狂いもなく同時に鳴り響く白と黒の携帯………。
-ピッ-
「……もしもし」
「出てくれたね美潮」
私が出た電話。自分の白い携帯。やっぱり黒い携帯に出るのは少し怖かったから。
「徹……」
「決心してくれた?」
「うん……徹が安心できるようにね」
「そう……よかったよ」
相変わらず抑揚のない淡々とした喋り。いつもの徹じゃない。向こうの世界に居るとそういうもの?なんか………寂しい。
頭の上から聞こえる嬉しそうな声。まったく…子供みたい。
「ほら分かったから。まず外れた腕治すわよ」
「え………?」
傷の手当てしないといけないし、外れた腕もいつまでもこのままにしておけない。
徹の腕から抜け出して背後に回り込む。ダランとした左手…
「悪いけどちょっと我慢して。いくよ……」
「え?おい…」
ゴキン
「って~っ!」
「入ったよ」
「う~……あ、ホントだ」
左腕を動かしてみる。動く。
良かった。ちゃんと入るか心配だったけど大丈夫みたいね。
「美潮すげぇなぁ」
「私もよく外れるから。でも人のは治した事ないけど」
「うっそ。マジやべぇからそれ」
「うっさい!早く濡れた服脱いでよ。傷手当てするから」
「この前と立場逆だな♪」
ボロボロのくせに白い歯を見せて笑う徹を見てやっと安心した―――――
-P~P~PP~♪……-
-きた……-
ポケットの中で鳴り響く携帯。手を入れて確かめる。やっぱり………二台ある。
どっちに出よう。本当なら迷わず私の携帯に出るところなのに………この黒い不気味な携帯がとても気になる。私を惑わすってなに?私、何か惑わされる事あるの?
相変わらず微塵の狂いもなく同時に鳴り響く白と黒の携帯………。
-ピッ-
「……もしもし」
「出てくれたね美潮」
私が出た電話。自分の白い携帯。やっぱり黒い携帯に出るのは少し怖かったから。
「徹……」
「決心してくれた?」
「うん……徹が安心できるようにね」
「そう……よかったよ」
相変わらず抑揚のない淡々とした喋り。いつもの徹じゃない。向こうの世界に居るとそういうもの?なんか………寂しい。