鬼姫マラントデイズ
『………あなたたちは、敵…

なら…殺してあげる』



つい最近聞いたその言葉に、私はちょっと戸惑う。


似てる…似すぎてる!


耳と尻尾は美しい金色の毛並みで、

目も琥珀のような透き通る金色で。


白い肌に対象となるような真っ赤な着物を来ている金狐。




「…行くぞ!」

「了解‼︎」



律希の日本刀が踊るように舞うように動きながら、金狐の体まで突き進む…!



『…柔い』



なんの表情の変化もなく彼女はそれを避ける。



「光雷神!」



私の鋭い魔矢にも、華麗に美しく避ける。



彼女の一挙一動、全てが美しくて…

時々攻撃をやめてしまいそうになっちゃう…!



これじゃ、ダメだ!

全く攻撃が効かない‼︎




『あなたたちだって、私を捕えて野狐に差し出すのでしょう?

そしたら褒美がたくさん貰えるんですってね?』



「違う!もうお前ら金狐を狩った野狐たちは罰せられたと聞いている!」



『っ、陰陽師になにが分かるのよ‼︎


怖い怖い怖い怖い…あの日が、怖いの…!』




1人彼女は悶え始める。

けどその隙を狙おうと攻撃をしかけても、簡単に避けられてしまう…




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