鬼姫マラントデイズ
慣れ、てる……?


その言葉に戸惑いを隠せないでぼーっとしてると、すぐ律希は立ち上がった。



「ちょ!まだ傷が…!」



「今はそれどころじゃない。

この金狐の方が…俺より何倍も苦しいはずだ」




そう呟いた刹那、彼の日本刀が光だした。


赤い光を纏い、それはなんとも幻想的で…



陰陽師も何十人も見た、

鬼斬りも数人だけど見たことがある。



けど、噂でしか聞いてなくって…見たことがないのがあった。




「炎鳥舞歌」




陰陽師の中でも特に優れた『若者』しか操れない

そんな、術があると……





『っ!』



「……戻れ」




赤い光を纏った日本刀は、

美しい弧を描きながら


律希の体と一緒に、金狐の体へと向かってって……!





「…はやっ……」




それからは、目で確認できなかった。


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