鬼姫マラントデイズ
「……あ……わた、しは…なにを……」
「…安心して、もうあなた方金狐を滅ぼそうとした野狐は罰されていますから」
「…ごめ、んなさい…私、あの時の恐怖と…
野狐に対する恨みで、気が動転しちゃって…
まさか自分が…物の怪になるなんて……」
ちょっとやつれてるけど…艶のある肌に綺麗な金の耳、尻尾。
そしておっとりとした話し方…
「あの…あなた、娘さん…いましたか?」
気付けばそう聞いていた。
だって、この人はあまりにも似すぎていたから。
金鞠に…
「ええ…娘が1人。
けれどあの子と2人で逃げてる途中、別れてしまって…もう、分からずじまいよ。
きっと、あの子はもう……」
金狐にしては、特長が全て一致していた。
親子って、しかも女同士って、こんなもんなのかな。
私には…お祖母様も、お母様も小さい頃にいなくなってしまったから…分からない。
「…その子の名前、聞いてもいいですか?」
「ええ…
金鞠、そういうのよ」
はにかんだように笑った彼女は、けれどすぐに
目をふせ、どこか焦点が合わないところへ目線を投げかけていた。
「……あの、私その子を…!」
意を決して言おうとすると、彼女は驚いた顔を浮かべた。
けどその顔は、私じゃなくて…私の後ろへ向かれてて。
「…安心して、もうあなた方金狐を滅ぼそうとした野狐は罰されていますから」
「…ごめ、んなさい…私、あの時の恐怖と…
野狐に対する恨みで、気が動転しちゃって…
まさか自分が…物の怪になるなんて……」
ちょっとやつれてるけど…艶のある肌に綺麗な金の耳、尻尾。
そしておっとりとした話し方…
「あの…あなた、娘さん…いましたか?」
気付けばそう聞いていた。
だって、この人はあまりにも似すぎていたから。
金鞠に…
「ええ…娘が1人。
けれどあの子と2人で逃げてる途中、別れてしまって…もう、分からずじまいよ。
きっと、あの子はもう……」
金狐にしては、特長が全て一致していた。
親子って、しかも女同士って、こんなもんなのかな。
私には…お祖母様も、お母様も小さい頃にいなくなってしまったから…分からない。
「…その子の名前、聞いてもいいですか?」
「ええ…
金鞠、そういうのよ」
はにかんだように笑った彼女は、けれどすぐに
目をふせ、どこか焦点が合わないところへ目線を投げかけていた。
「……あの、私その子を…!」
意を決して言おうとすると、彼女は驚いた顔を浮かべた。
けどその顔は、私じゃなくて…私の後ろへ向かれてて。