鬼姫マラントデイズ
そんな私たちをにこやかに見つめる平井先輩。




………平井先輩、律希がすごい嫌そうな顔です!


ここは私が遠慮をした方がいいと思います!




「あの、平井せんぱ…」

「律希、いいよね別に?

僕の家だもん、決定権は僕でしょ?」





……平井先輩のちょーっと低い声に遮られた私の声は、彼らに届くはずもなく。




「……分かった」




……なぜか私は、平井先輩の家にお邪魔することに。










「よし、マンションにとうちゃーく」


平井先輩はそんな掛け声とともに、カードを認証機に当て、扉を開かせる。



広いエントランスホールを横切ってエレベーターに乗り込む私たち4人。


金鞠はぐっすりで…しばらく起きそうにない。



目の下にある涙のあとが…私の心を痛ませる。






34階に着くと、ポーンという気味の良い音が響き、エレベーターのドアが開く。



「あ、先輩、律希、私スクバちょっと置いてくるね!」


「はーい、いってらっしゃーい。

待ってるから勝手に入ってきていいよ?」




分かりました、と言って私は鍵を鍵穴に差し込み…


その動作の途中で、「ちょっと待て⁉︎」という声が聞こえた。



……どしたのさ、急に叫んで、柄じゃないなぁ…




律希。





起きちゃうでしょ金鞠ちゃんが。



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