鬼姫マラントデイズ
…もう、よくわからないなぁ。





「じゃ、先輩、すぐ行きますね!」



そう言うと私は部屋へと入り、スクバをいつもの場所に置く。


喉が渇いたので水筒を取り出し、飲み干す。


そして今日の課題をチェックして、帰ったらすぐできるように机の上に……あ。



そうだ、英語分からない…



平井先輩に聞こう!


名案だわ〜、と自分で思いながら英語のテキストと筆記用具を抱え、外に出る。



鍵をかけて…よし!



準備が整った私は、ドアの前に立ち…一度深呼吸を。




「…し、失礼しま〜す……」





おずおずと扉を開けると、奥から「どうぞー!」という明るい声が聞こえ、安堵しながら中へ入る。




……部屋の構造は大体一緒だと思うけど、


広いんです!とにかく!



私も使ってない部屋が多発している状態ですからね!



それぐらい広いんです!




……分からない、どこにいるのか!





「あ、ごめんね。こっちだよ」




パタパタという足音が聞こえたと思うと、平井先輩が笑顔で私の方へと来てくれる。


彼に案内されるまま進むと、一際大きい部屋へ。





…うん、ここがリビングだよね。




大した物も置いていない殺風景な私の部屋とは違い…結構充実した部屋だった。



明るいオレンジ色のライトが光る小さめのシャンデリア。

高そーな壺や絵画。

絶対座ったら体が飲み込まれるソファー。




綺麗、綺麗…!


女子な私の部屋とは正反対です!


…私ももーちょっと、インテリアに気を使おう。



2人掛けソファと机、薄型テレビぐらいしか置いていない部屋。



…あまりにも寂しすぎるか、うん。








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