鬼姫マラントデイズ
ま、別にもうそんな気にしてないんだけどね。


ただ…みんなに会いたいなぁ、とは思ったりするけどさ。





「大丈夫、気にしてないしね」



「そうか…悪かったな。

なあ、人間として暮らして楽しいのか?」




興味津々!って感じで聞いてくる猫又。


旅好きな気性だし、そこらへんは気になるんだろうな。




「うん、楽しんでるよ!

けど……


最近、上手くいかない相手がいるんだよね」




他でもない、あのバカ陰陽師だ。




「ほう…そうなのか。なぜだ?」




……さすがに噂好きな気性でない猫又一族とはいえ、

さすがに元鬼のお嬢様が鬼斬り陰陽師と関わっていたなんて教えられない。



「…ちょっと特殊な関係の異性なんだけどね。

私の秘密がバレそうになった時…知られたくなくて、あんたには関係ないじゃん、って感じで突き放しちゃったんだよね。

その秘密、っていうのが…彼の家に関わることだったんだ」




私の言葉に猫又は真剣な面持ちで聞いてくれた。

その真剣な表情から…12、3歳なんて思えなくなって来た。



実際の年齢より幼く見える猫又一族…実際は20代ぐらいかもな。





「……お主は、そいつのことが信じられないのか?」



私は急いで首を横に振る。


そんなわけないもん!




「なら、なぜ話さない?

大切な相手なのだろう?理由もなく、『話せない』なんてなんたら言われて突き放されたら…それはそいつがかわいそうだ」




「そっか…私、理由もなにも話してなかった……」





律希からしたら、なぜ?って感じだよね…




「そうだ、そいつの気持ちにもなってみろ。

……裏切られた、といったら大袈裟だが…そんな感じがするのだろう。


寂しさも感じると思うぞ?」




「…私も実際、あいつの立場だったら……嫌かも」




「だろう?そいつの立場になって考えてやれ。

お前ら2人の関係がどんなものか分からんが…」



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